虫歯治療

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虫歯治療

当院では、レントゲン、拡大鏡、あるいはレーザー検査機(ダイアグノデント)を使用し検査を行っています。
またできるだけ実際にお見せして、虫歯の進行程度や今後の予測などの状況をご説明します。
実際の治療については、目立ちにくい材料、歯に良い材料、耐久性の良い材料など、治療方法による違いをご説明しています。
初期のう蝕については現在はすぐに治療をしない場合もあります。唾液の再石灰化というメカニズムにより、削るより経過観察をすることのほうが長い目で見て、得策な場合もあるからです。
削除する際も可及的に削除量が少なく歯髄(歯の神経)を残すように努めます。この考え方は、ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)と呼ばれています。健康な歯を可能な限り維持し、う蝕を管理するというコンセプトです。う蝕がわずかに歯髄まで到達してしまっているだけな場合やぎりぎりの場合には歯髄を残し、当院ではプロルートMTAという薬剤を使って歯や歯髄を守るよう努めています。当院ではプロルートMTAが日本で販売されるだいぶ前から(2000年ごろから)他院に先駆け個人輸入し臨床応用しており、長い実績があります。う蝕が歯髄(一般に神経といわれている部分)まで完全に到達した場合は、歯髄を取り、根管の中をきれいに(無菌的に)し充填材を填入し、さらにコアー(芯材)を入れます。
最終的には目に触れない『芯材』にも歯を傷めやすいもの、傷めにくいもの(グラスファイバーなど)がありますので、その点もご説明、ご相談しながら治療を行います。
その後クラウンを被せますが、クラウンにはセラミック、プラチナ&ゴールドの貴金属合金、それらを合わせたものなどがあります。

こんな症状があったら虫歯の前兆です。早めにご来院ください。

  • 歯の表面の溝が黒くなる、欠けたり、穴があく
  • 水や甘いものがしみる
  • 時々痛む
  • 舌でさわると引っかかった感じがする
  • 食べ物が同じ場所にひっかかる

虫歯の進行

虫歯は、進行度合いによってC1~C4に分類されます。

C1

C1

歯の一番外側のエナメル質が侵された状態。(痛みなどの自覚症状はありません。歯の表面にツヤがなく、ときに薄い茶褐色になる。)
C2

C2

虫歯が象牙質まで達し、穴があいている状態。(冷たいもの、熱いもの、甘いもの、すっぱいものによって痛みを感じます。茶褐色や黒っぽくなっています。)
C3

C3

歯髄まで侵され、大きな穴があいた状態。(ズキズキと刺すような、特有の痛みがある。)
C4

C3

歯肉から上の部分(歯冠 )はほとんどなくなり、根(歯根)だけが残された状態。(普通は抜歯になる。痛みはなくなり、神経は完全に死んでいる。)

C3・C4の段階になると、歯根の先の炎症を起こした部分に膿がたまります。ときには、この膿の中の細菌や毒素が、血液などに感染し、血管をとおって全身に運ばれ、関節炎やリュウマチ性疾患、腎炎、心臓病、血液疾患、皮膚病などの病気を引き起こします。
最悪の場合、敗血症を併発し、死亡することがあります。
たかが虫歯1本と侮ってはいけません。虫歯になっても早めに適切な治療を受け、早期発見、早期治療を心がけてください。

むし歯ができるまで

1.むし歯菌について

お口の中には、むし歯菌としてミュータンス菌とラクトバチラス菌が存在します。
ミュータンス菌とラクトパチラス菌

2.歯を溶かす酸を産生

むし歯菌が糖分を栄養にしてプラークをつくり、プラークの中で歯の表面(エナメル質)を溶かす酸を産生します。
歯の表面のプラーク

3.歯の表面(エナメル質)を溶解 「脱灰」

プラークの中で発生した酸により、歯の表面(エナメル質)が溶け出し、歯の成分であるカルシウムとリン酸が失われます。
歯の表面(エナメル)が溶け出し脱灰が進むと、むし歯になります。

どうして虫歯ができるのか

歯を磨いても、なぜ虫歯になってしまうのでしょう。人によっては、まったく磨いていないのに「虫歯は一本もないよ。」という人もいます。虫歯菌が、生後10ヶ月~31ヶ月くらいの間に、保護者(主に母親)から感染するのが原因です。保護者の口の中に、大量のミュータンス菌がいると、より効率良く感染していきます。
その時、砂糖をたくさん摂った場合、更にミュータンス菌は、より大量に歯面に定着していきます。いったん口の中に大量のミュータンス菌が感染すると、歯磨きをしたくらいでは、菌量を減らす事は出来ません。ミュータンス菌の表面には螺旋状の突起物があり、それが歯の表面にねじ込むようにして、歯に張り付いてしまう為です。ミュータンス菌などの細菌が集合体を作り、歯の表面に形成された膜を、バイオフィルムといいます。

虫歯になる4条件

  1. 虫歯になりやすい質の歯
  2. 歯垢をつくりやすい糖分
  3. 虫歯菌(ミュータンス菌)
  4. 時間の経過
虫歯になる4条件

虫歯の予防

虫歯の原因はわかっていますから、この4条件を解消することがそのまま予防につながります。歯垢は毎日の正しいブラッシングで取り除き、セルフケアではとれない部分は歯科医院で取り除きます。あとはあなたが、毎日の生活の中でこれら4つのリスクを減らす努力をしていけば、虫歯の引き金が絶たれ、良い結果に結びつくでしょう。 虫歯ができる原因を知り、予防を心がけることが大切です。あなたの少しの努力でいつまでも健康な歯を守ることができます。

むし歯を防ぐ唾液について

唾液には、むし歯から歯を守る力があります

唾液が歯の表面(エナメル)を再形成します。

日常生活での唾液の再石灰化作用

食事をするたびにむし歯菌が酸をつくり、歯の表面(エナメル質)は脱灰されますが、唾液の再石灰化作用が働き、歯の表面(エナメル質)を元の状態に戻します。

日常生活での唾液の再石灰化作用

むし歯になりやすい生活リズム(脱灰⇔再石灰化サイクル)【悪い例】

一日の中で脱灰状態(グラフの赤い部分と同じ色)が大きい(多い)程、むし歯になりやすい生活リズムです。

むし歯になりやすい生活リズム(脱灰⇔再石灰化サイクル≪悪い例≫)

規則正しい生活リズムが、むし歯予防につながります。

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